水中に沈む幻の香木「沈香」について【後編】

水中に沈む幻の香木 「沈香」 について【後編】

前回に引き続き、今回は
水中に沈む幻の香木「沈香」について【後編】に入らせて頂きます。

前回では沈香の歴史や、種類、その希少性などをお話しさせて頂きました。
まだお読みでない方は是非こちらの記事水中に沈む幻の香木「沈香」について【前編】からお読み頂ければと思います。

沈香の効果

非常に貴重な沈香ですが、古くから漢方の生薬としても使われてきました。
お香の原料には漢薬と同じものが多々ありますが、沈香も例外ではありません。

基本的な効能は、鎮静、鎮痛、抗菌作用などですが、特にこの鎮静作用の効果は非常に高いことで知られます。
生薬としては勿論ですが、煙にも同様の効果があります。
チベット伝統医学においても、沈香のお香が精神安定、安眠などのために処方されます。
その煙を吸い込むことで脳内のアルファ波が増加することが実験でも明らかになっているそうです。

心が不安定になりがちな現代において、大切な人や自分自身を守るため、癒すために焚きたいのが沈香のお香ですね。

沈香とスピリチュアル

お香の重要な役割の一つでもある「浄化」。
沈香にも浄化効果はあるのでしょうか。

沈香は、人工的に作り出すことができず長い年月をかけて自然の力で生まれます。
その数、数百本に一本とされています。
沈香の誕生の仕方や希少性は前編にて記述致しましたので省略させて頂きます。

奇跡のような自然の力で生まれる沈香はその存在自体が神聖で神秘的なものです。
そして古くから織田信長など、名のある武将達がこぞって求めたように、人を魅了する力も持ち合わせています。

また、沈香は仏教において重要な物と考えられています。
仏教の開祖であるお釈迦様は沈香を好み、良く焚いておられたと言われています。
涅槃に入られた際、弟子たちはお釈迦様の好きだった沈香をお供えとして焚きました。

これが焼香の始まりだと言われています。

その為、日本において「お香」=「沈香」とも考えられてきました。

人間には作れず、自然の恵みである沈香。
人々を魅了し、お釈迦様も好んで焚いたとされ、古くから漢薬としても重宝されてきました。

沈香は強い浄化効果も併せ持つと言われていますが、このような事柄からも窺えるような気がします。
私も普段家で焚くのは沈香のお香が殆どです。
自分用に調合したものですが、その効果は絶大だと思います。
是非一度、奇跡のような自然の力を体感して頂きたいものです。

沈香の香木

シャム沈香香木

こちらはカンボジアにて知人に仕入れて頂いたシャム沈香の香木です。
写真でもおわかり頂けるように、一見ただの木片にしか見えません。
熱を加えないと香り立たないため残念ながら偽物も多く流通しております。
海外に行かれた際、沈香と謳われていても充分にご注意くださいね。

沈香の香合と香炉

沈香香合

こちらはタニ沈香で作って頂いた香合です。
香合とは、香を収納する容器です。茶道や仏教の道具で、様々な素材やデザインがあり見た目にも楽しめます。
主に香木の欠片や練香を収納します。

沈香香炉1

そしてこちらは、タニ沈香の香木を切り出して作られた香炉です。
希少な沈香の香炉で、沈香のお香を焚く・・・この上ない贅沢な時間を味わえます。
こちらは職人さんの手作りで1つ1つ丁寧に仕上げられています。
また、この香炉、くゆりや狼月で受注販売致します。
オンラインショップに掲載致しましたので、是非ご覧ください。

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まとめ

前編、後編にわたってお付き合い頂きありがとうございました。
沈香についての魅力を少しでも皆様にお伝えできたでしょうか?
お釈迦様から始まり、日本の戦国武将達、古くから人々を魅了してきた沈香の香りを現代に生きる私達も聞く(香の世界では香の香りを嗅ぐことを「聞く」といいます)ことができるということ、素晴らしいと思われませんか?
人工的に作り出すことの出来ない自然の力を、是非皆様にも体験して頂きたいです。

-香話